トラン・アン・ユン監督作品は『ノルウェイの森』(2010)ぐらいしか観たことないので、詳しいことは存知ませんが、今作『エタニティ 永遠の花たちへ』での “ 美 ” へのこだわりには凄まじいものを感じました。
役者のヘアメイクや衣装はもちろんのこと、小道具やインテリア、草木や湖の水、光、色彩、なにもかもがはっとする程美しい。
公式ウェブサイトより(絵じゃないのよ)
特にユン監督が映し出す少女の美しさは神がかっていて、柔らかな白い肌に紅潮した頬や唇、恥じらいと好奇心を秘めた瞳、表情、見ているだけでうっとりとした幸福な気分になる程。(ちょっと変態っぽい?)
その美しさは、まるでモネやルノワールといった印象派の画家たちの絵画のようでもありました。
さて、この作品ちょっと変わっていて、セリフは少なく、ストーリーはナレーションの語りによって説明され、映像が本の挿絵のように感じられるのです。
ヴァランティーヌ役を演じたオドレイ・トトゥは「すべてのショットはあまりに審美的に構成されていたので、自分には本物らしさが欠けているのではないかと感じたほどです。私はただセットの一部になりました。何かになろうとさえしませんでした。」と語ったそうなのですが、確かにこの映画の主役は場面そのものなのではないかと思わせるほど各カットが完璧なまでに美しく、登場人物すらセットの一部でしかないというのは大いに納得です。。
そんな訳でユン監督は役者の動きに関しても相当細かく演出したそうで、ガブリエル役のベレニス・ベジョはあまりにもやり直しが多くて、撮影中キレたこともあるのだとか。
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